すき屋には戦術のみで戦略がなかった!?日本企業のビジネスモデルへの警鐘
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◇ ktgohan(斬祓中) (ktgohan) on Twitter
すき家の崩壊の分析を読んでいて、こういうツイートがありまして、
特攻隊もすき家も部分最適化を繰り返していって、全体で見て何をしているのか分からなくなっていったってのの一つだよな。
— 憑かれた大学隠棲:再稼働リプレイスに一俵 (@lm700j) 2014, 8月 1
これを読んでいて思ったのですが、すき家に独自の戦略などないというか、「吉野家の模倣と効率的経営」しかなかったんだなあと思います。
確かに、ワンオペという小学生でも思いつく戦術というか、引き算はできたのでしょうが、経営陣のレベルは小学生から進歩していなかったということかと。
しかも、そのアイデアは自分たちの力ではなく、「現場の社員の頑張りだけで支えられたものだった」ことに気づけなかったことでしょうか。
現場の声を聞くという商売の基本が出来てなかったのだろうなと思いました。
すき家の経営陣は、効率化が行き過ぎて、人間的に狂ってしまってるともいえますね。すでに人間辞めてる感じもします。
吉野家の牛すき鍋膳は、たとえば一般的に居酒屋等で使用される「鍋」だと、結構背高で運ぶ際に安定性を欠くので、背が低いものを探してきたのだという。こういうところから一つずつ組み立てて、新商品を慎重に設計してきたというのが、関係者が異口同音に話すことであった。
— ktgohan(斬祓中) (@ktgohan) 2014, 8月 1
結果、人時客数を大きく低下させることなくオペレーションを回す目途がたち、鍋の人気化に伴って来客数が増大してもある程度店を回し切ることが出来たという。客単価も大きく向上し、結果として吉野家の業績向上に大きく貢献した。
— ktgohan(斬祓中) (@ktgohan) 2014, 8月 1
人時客数を維持できるならば、新商品投入時にも店を回せる。予想以上の人気商品となった牛すき鍋膳をみて、吉野家の関係者は胸をなでおろしたそうだ。店が荒れずに売り上げがあがる。久し振りのヒット商品だ、と。
— ktgohan(斬祓中) (@ktgohan) 2014, 8月 1
少しして、すき家が「牛すき鍋定食」の投入を発表したとき、最初は彼らは悔しがったそうだ。こんなに早くキャッチアップされたのか、すき家も手が早いな、と。
— ktgohan(斬祓中) (@ktgohan) 2014, 8月 1
すき家が発表した商品イメージを見て、その認識は一変したそうだ。特に什器が専用化されていない。うちが早々に諦めた方法でやろうとしている。あれ危ないんじゃないか、と。
— ktgohan(斬祓中) (@ktgohan) 2014, 8月 1
すき家のビジネスモデルはトップの吉野家の模倣、それに加え、それを効率化するアイデアの集積それだけです。他に何もない、というのは言いすぎだと思いますが、極論するとそんな感じでしょうか。
このビジネスモデルの根幹の崩壊というか、従業員にやさしい経営をしてしまうことが、すき家のビジネスモデルと対立してしてしまう問題をどうやって解決していくかがすき家の課題でしょうね。
http://t.co/YRp47p9lW4 すき家7月度の月次速報がもう出ています。既存店売上も客数も客単価も、全店売上も前年比で100%を(ほんの少しですが)上回りました。売上も客数も落ち込んでいる日本マクドナルドとは、置かれている状況は全く異なります。
— ktgohan(斬祓中) (@ktgohan) 2014, 8月 1
問題は今まで通り機械的に効率化経営をやっていくと、売上はそこそこ維持できる訳です。この成功体験を捨てることはできない。
後追いやめて、すぐには真似できないオリジナル商品の開発と、今回の吉野家がやったような独自の工夫でオペレーション(従業員)への負担を軽くする処置も当然必要ですね。
こういう情報は現場の従業員の声を聞くようにするか、経営幹部が現場で一日働いてみるとかですぐに分かることですが、それはできないんでしょうね。小学生でも職場体験とかでできることなんですが。
これって、実は日本企業のここ数十年の成功したビジネスモデルの崩壊を意味しかねず、人件費を削ったり、効率化が限界に来ていて、ブラック企業問題の本質なのかなとも思います。
人、物、金、情報の経営資源のうち、人だけは数字では割り切れないものがあり、経営の要だということが分かった出来事でした。
◇ 僕のタイ人の奥さんの話では、タイの日系企業の工場では12時間労働で土日も割増があるので出勤して、月3万円ぐらいのお給料だそうです。
日本だったら、1日5時間労働で週休二日で7万円ぐらいになりますね。
実はこの数十年の日本の企業のビジネスモデルは「安い賃金で働いてくれる国の労働者を使って、安い商品を作って販売し、利益を上げる」という小学生でもできる引き算経営だったのではないかと思う。
そこには何もクリエィティブなものはなく、効率化はあるが工夫はなく、人を犠牲にする経営だったのではないかと思う。
これからは従業員に対する思いやりや配慮によって、経営の力をアップしていく必要があるのではないかと思います。
数字を追う頭の良さではなく、人の気持ちが分かる経営者、それが最終的には勝ち残る経営者かもしれませんね。効率経営だけでは限界があるということですね。
ブラック企業の経営者は小学生レベルの引き算ばかりしてないで、もう少し頭を使おうねというお話でした。
◇ 結局、失われた数十年、日本企業がやってきたことは、それぐらい低レベルだったのです。
例えば、インドでバックミラーがひとつしかない車が定番だったり、発展途上国に最適化した「安くてほどほどの性能の製品」とか、それら全ての共通点は「人に対する配慮や思いやり」によって商品を生み出さないといけないよ、という教えだった訳です。
人口増で商品が売れただけなのに、日本のものづくりが素晴らしいと思い込み、国際化する商品のニーズに対応できず、何の工夫もしてこなかった日本人の生き方そのものが問われているのではないでしょうか?
何故、日本の商品が売れなくなったのか?
それは何も考えてないし、何の独自性も工夫もなくなってるからという単純な理由なのかもしれません。
当たり前のことが当たり前に起こってるだけなのではないでしょうか。
そんな気がしてならないんですが。
結論:お客さん(従業員も含む)のことを、もう少し考えた経営が必要ではないかと思います。
すき家の経営者の方は、全共闘世代で労働組合を組織してた人らしいのですが、転向して資本主義の勝負に勝ったけど、自分自身のかつて持っていた思想とか、人生には敗北してしまった訳ですね。皮肉な結果ですね。
すき家とマルクス資本論 昔から資本家と経営者の悩みは変わらない 安価な労働力を資本 ...
労働者自身から経営者になり立場が変わると、自分中心視点になってしまって、他人の気持ちが分からなくなるようです。
僕も気をつけなくてはとしみじみ思います。
「モグラ男と、ひかり姫」は、2014年8月アルファポリス「第7回絵本・児童書大賞」エントリー済です。応援よろしくお願いします。