新世紀の生き方、物語の世界

栗本慎一郎の経済人類学、白川静の漢字学、日本の古代史、日本人の起源論、小説や好きな本の話題など書いていきます。何ですが、ニュースとか、ネットの話題も多いです。

共同幻想論から読み解く、炎上の構造

◇ 私的思い込み→常識教育型の炎上考察、「感謝」と「祭礼」の本質についての続きの解説ですが、吉本隆明の著書『共同幻想論』ですが、僕は文庫本持ってるけど、全く読んでないです。


栗本慎一郎の解説などで知ったりしてますが、巫女さんのお話とか、憑依の話とか、何か面白そうな内容というか、ちゃんと読み直してみます。

で、吉本『共同幻想論』共同幻想 - Wikipediaの頭のいい人の解説を読みまして、ちょっと理論を組み立てました。


◇ 凄くいい加減な話ですが、共同幻想とは何か?ですが、こんな解説があります。


吉本隆明は、著書「共同幻想論」で人間関係は、3種類に分類されると提唱した。

  1. 自己幻想
    個人と個人の関係。芸術がこれに当たる。他者には影響を及ぼさないため、無制約に自由である。
  2. 対幻想
    個人と他者とのプライベートな関係。家族友人恋人がこれに当たる。
  3. 共同幻想
    個人と他者との公的な関係。国家法律企業経済株式組合がこれに当たる。また、宗教は、個人の内面に収まっている限りは自己幻想に当たるが、教団を結成し、布教を開始すれば、共同幻想に当たる。

    共同幻想 - Wikipediaより引用

 
それで、共同幻想というのは、自己幻想を持つ個人が集団を作っていく過程で生まれてきます。集団が上手く回っていくためのルールとか、規範のようなものも生まれます。


吉本は、共同幻想自己幻想に必ず逆立すると主張する。個人を守るための共同体が、個人を束縛し、弾劾するのである。個人に対する社会的ルールの強制などがそれである。逆立性が極限まで高まると、国家が戦争などで個人に死を強制し、それを殉教である、英霊であると賛美するなどという状況も起こる。

「逆立」とは吉本の造語であるが、吉本はこれに対して明確な定義を行っていない。文脈によって、対立や抑圧という意味合いであったり、単純に質的な差異があるという意味であったり、よそよそしいとか冷淡、欠如、虚偽というような意味合いもあり、多義的である。逆立が成立する過程で、共同幻想と自己幻想の関係性には段階的な変化もあるらしい。

吉本は、常に共同幻想自己幻想に勝利すると主張している。個人がいくら努力しても変えられない巨大なマクロ的な力(時代の流れや歴史の流れ)が存在するという、ある種の諦観と解釈できるかもしれない。太平洋戦争に敗北し、革命にも挫折した吉本の個人的体験が大きく影響しているかもしれない。どんな野心的な独裁者であれ、どんな優秀な革命家であれ、世界を意のままに操ることは不可能なのである。

共同幻想 - Wikipediaより引用

 

◇ 栗本慎一郎氏(元慶応大学全学連委員長かな?)もそうですが、安保闘争時の学生運動の左翼思想家、運動家に、吉本隆明が読まれたのは、革命家個人の自己幻想(国家はこういうものであるべきという信念)が、国家や社会に共有される、共同幻想に昇華する方法を模索していたからでしょうね。たぶん。

それで、炎上というのも、この仕組みから考えると、共同幻想(社会で共有されてる常識とかルール)によって、自己幻想(私的思い込み)が規制される現象と言えるかもしれません。

◇ イルカ、捕鯨反対運動の謎、日米の共同幻想の違い? - 新世紀の生き方、物語の世界の記事も、かなり深刻な共同幻想の違いかもしれないと思ってはいます。

今回はそこが争点ではないとは思いますが、共同体によって、地域によって、共同幻想の違いが深刻な対立を生みますが、その共同体の歴史や成立過程で生まれた価値観なので、どちらも引かない、引けない争点となって、問題解決を阻んでいます。



非常に単純に論じましたが、星井七億さんの場合は、何でこんな些細なことで炎上するのか?ちょっと、見逃してもいいレベルというか。一見、理由は明らかなのでしょうが、本当のところ、実はもう理由などわからない感じもします。


冬季うつ病とか、冬は人の心も乾燥しやすく、燃えやすいとかかもしれません。



◇ 最近というか、些細なことで炎上する理由は、共同幻想と個人幻想のズレが起こりやすい領域で議論を展開して、誤解を生みやすく、炎上しやすいツイッターなどで失言してしまう→まとめサイトが取り上げるという一連の流れができているのも、炎上を加速する一因でしょう。


アクセス数稼げる、ネット上に炎上してるネタを見逃すこともないだろうし、現に僕自身も炎上ネタに言及してしまうし、野次馬根性の持ち主だし。

低所得ごちそうさまツイート炎上は、地雷と語彙、伝え方の問題では - 夜の庭からを参照して、炎上防止策でも講じるしかないようですね。

 

 追記 星井七億さんの「桃太郎シリーズ」読みたいです。本とかあるのかな?

吉本隆明という「共同幻想」

吉本隆明という「共同幻想」