新世紀の生き方、物語の世界

栗本慎一郎の経済人類学、白川静の漢字学、日本の古代史、日本人の起源論、小説や好きな本の話題など書いていきます。何ですが、ニュースとか、ネットの話題も多いです。

孔子、論語、漢字、白川静、巫女

 武田鉄矢 - 今朝の三枚おろし 孔子、論語、白川静

白川静立命館大学名誉教授、京都大学文学博士)さんというのは、とても偉大な漢字博士みたいな方だったようで、この週は孔子論語、漢字の話です。

孔子というのは、おそらく、巫女(ふじょ、みこ)の子供で、父親を早くに亡くしていたのだろう、と言ってます。

孔子の葬儀に関する知識の凄さや、多芸多才さについて、弟子が驚嘆する場面が論語にあるのだけれど、『自分は幼いころに、貧乏で色々とアルバイトしてたので、いろいろとできるだけなんだよ』と弟子にしみじみと語ったりします。

孔子は、実は巫祝(葬儀、雨乞い、加持祈祷などをなりわいとするシャーマン)のことに携わりながら、礼楽について学んでいたようです。

葬儀なども含む礼儀作法、音楽や踊りなどもやってたようで、弓の腕を磨く、馬に乗る技術を学んだ後に、他の学問をやりなさいということを言っていた。

これって、何か京都の下鴨神社流鏑馬とか思い出しません?というか、陰陽師とか見えてきません?どうも騎馬民族系の一族の子供だったのかもですね。

陰陽師の開祖に近い、岡山県出身吉備真備って、岩の上で琴を弾いてたというし、礼楽はシャーマンが自分に神を憑依させる術だったりもする。そういう儀式の時に、必ず登場しますし、神社の祈祷などでも普通にでてきますね。

この『礼』なんですが、これは巫祝の術も含むもので、人以外にも、天や大地の神との交信、コミュニケーションもあったりします。そういう怪力乱神の世界だったりする。

そして、孔子の一番弟子の顔回(淵)が若くして死んだのは、彼が巫祝の術に優れ、その暗闘の中で亡くなったという説を唱えた小説があったりします。

陋巷に在り〈1〉儒の巻 (新潮文庫)

陋巷に在り〈1〉儒の巻 (新潮文庫)

(全13巻未完)という酒見賢一が書いた本で、このシリーズ、この巫祝の術にスポットライトを当てたもので、儒者の起源が巫祝であるという説をズバリ描いています。もちろん、フィクションですが、当たらずとも、遠からずだと思います。

この話、まだ、未完なので、早く続きを書いて欲しいです。まあ、

泣き虫弱虫諸葛孔明〈第1部〉 (文春文庫)

泣き虫弱虫諸葛孔明〈第1部〉 (文春文庫)

(全3巻発売中、未完)書いてるらしいし、仕方ないかな。

それで孔子は、あえて『怪力乱神を語らず』と言ったのかもしれません。

この小説、ひょっとすると、白川静さんの文献も参考にしてる可能性もあるし、日本の陰陽師とかとも、何となく関係してくるように思います。

孔子暗黒伝 (集英社文庫―コミック版)

孔子暗黒伝 (集英社文庫―コミック版)

という、伝説の漫画家『諸星大二郎』のマンガもあります。このマンガは
暗黒神話 (集英社文庫―コミック版)

暗黒神話 (集英社文庫―コミック版)

というマンガと対をなしていて、語られなかった孔子の巫祝の側面に光を当てています。このマンガ、非常に面白いけど、今回の孔子の話からはかなり離れますw

暗黒神話 動画

それで、漢字の起源もまた、そういう巫祝の世界から生まれたのではないか?という説を、白川さんは唱えていたようで、それは正しいと思う。

この説に対して、東大の教授が猛反論したが、やっぱり、東大は京大にノーベル賞で負けてるだけでなく、今回も単純に負けてしまいます。

なぜならば、漢字、文字の起源は亀甲文字で、あれって、亀の甲羅を焼いてひび割れの形で占うってやつです。

おもいっきり、巫祝の世界じゃん!

白川静さんの漢字の起源で面白いのは、『如』という文字で、『女がいったん、しゃべりだしたら聴くしかないw それで、如し(ごとし)』というものです。彼女が言うが『如し』とかね。おしゃっる通りですw

『汝』(なんじ)という文字も、女というのは、みんな巫女のようなものなんだから、ただのおんなではないので、『汝』というんだという話も深く納得しました。

僕の奥さんも良いこと言うしねw

というところで、今回の話を終わります。

 

図解 巫女 (F-Files No.028)

図解 巫女 (F-Files No.028)