『風立ちぬ』のエヴァ化と、庵野監督の『ナウシカ2』
◇ ジブリ最新作公開記念特番 「岡田斗司夫が“風立ちぬ”の感想を語るよ!」
◇ 町山智浩さんの『風立ちぬ』の解説が深かったので書き起こしました。
◇ エヴァの庵野監督が『風の谷のナウシカ2』をやるのか?宮崎監督「庵野がやりたいって言うから、やるならやっても良いってこの頃思うようになっている」
『風立ちぬ』のエヴァ化というのは、失礼な話ですが、元々、『ナウシカ』の巨神兵(庵野監督が作画担当)=エヴァの原型だったりするんで、エヴァのオリジナルはナウシカなんだよね。
庵野さんは、宮崎駿を師匠と思ってるし、宮崎監督にとっての原点が『ゲド戦記』であるように、庵野監督の原点は『宇宙戦艦ヤマト』『ナウシカ』『特撮』だったりする。
『風立ちぬ』は解説入らないと本質的な物が分からない、というような作品になってしまったのは、実はいつもの宮崎監督の作風なのですが、ファンタジーだと、あいまいでも作品としては、そういうもんかで済んでいただけだと思います。それが、今回、分からなかった人が、否定派に回ったと思われます。
押井守や庵野秀明の作品と同様な『一度、見ただけでは処理しきれない情報を詰め込んだ映画』という本質は、宮崎駿の映画にもあるのですが、それは意図的ではないとは思いますが(押井さんは意図的だとインタビューで言っていた、庵野監督もたぶん、ある程度、意図的)、DVDを何度も見る人が、何度も楽しめるというものになっています。
押井監督が言うには、こういうコンテンツがすぐに消費されてしまう、大量消費社会では、そういう重層的なコンテンツを作らないと、すぐに飽きられてしまう。
だから、わざと謎めいた設定(わざとじゃない場合もあると思うが)、伏線のすべてを回収しないという作品作って、Yahoo!の映画批評で、わけわからん、パート2商法かよとか、金返せとか、叩かれたりしてしまう訳です。
口で言って、みんなにわからせる事じゃないんですよ。
べらべらしゃべって、自分の思想とか、政治とかぶつける人が、零戦作ったり、アニメ作ったり、映画監督なったりしないですよ。わけのわかってない人はやるんですけどね。物を作る人は、絵描きもそうですけどね、だから作品を作るんですよ。だから俺みたいにしゃべっている人はなかなか作品を作らないっていうね気もしますが(笑)、しゃべりを作品にしてるんでね。
町山智浩さんの『風立ちぬ』の解説が深かったので書き起こしました。より
結局、クリエーターの本質は、こういうものなんで、まあ、解説がこれほど必要な映画もないのですが。
最初はわけわからんが、だんだんわかってきたら楽しいと思うので、DVDがでたら、また、見てみようかなと思います。
宮崎監督のインタビュー見てると、庵野監督が『ナウシカ2』の制作を熱望し、今回、『風立ちぬ』の声優を務めたことを見ると、いよいよ、制作もあるかな?とも思えます。
庵野監督はクシャナが好きらしいでうが、クシャナって、エヴァのミサトさん的で、ナウシカの中盤の主人公はクシャナとも言えます。
主人公のナウシカは、クシャナのトルメキアと戦う、ドルク諸侯連合の奥深くに放浪の旅(世界の真相に迫る旅)を敢行していきますし。
ナウシカが制作されるとしたら、おそらく、また、エヴァのような3部作とかになってしまうと思われます。
エヴァが終了後、すぐに制作され、庵野監督のスタジオカラーは、あと10年ぐらいはこの作品の制作に追われるでしょう。
ほんと、原作は7巻(ナウシカは2巻までのストーリー)まであるし、クシャナ直属の第3軍の戦いとかをボリュームアップしたりしていけば、十分、できるんじゃないかと思います。
百田尚樹さんの『永遠の0(ゼロ)』の映画の公開も12/21(土)に決まったし、こちらのゼロ戦映画の方が分かりやすいので、原作本も含め、楽しんでみたらいいと思います。
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